研修: 2009年7月アーカイブ

 平成18年の医療制度改革において示された療養病床の再編成政策を受けて、国立保健医療科学院では平成19年度より、①病院事業者の方々を対象とした研修と、②地方自治体において療養病床の転換支援業務を担う方々を対象とした研修の、2種類の短期研修を行っています。ここでは病院事業者の方々を対象に平成21年5月20日~22日の3日間で開催した、平成21年度「療養病床の転換支援研修」(定員60名、修了者67名)について報告します。
 研修1日目は、療養病床再編政策の状況(厚生労働省担当者)、平成21年度介護報酬改定を踏まえた対応策について(外部講師)についての講義を行いました。
 2日目は、病床転換に伴う資金調達についての講義(外部講師)、高齢者の住まいとサービスについての講義(科学院)、そして先進的な病院経営戦略を立てている3病院の先生方からの事例報告をしていただきました。さらに事例報告いただいた先生方によるパネルディスカッションを行い、活発な質疑応答が展開されました。
 3日目は、病院経営戦略の考え方についての講義(外部講師)、建築および経営の観点からみた病床転換事例の講義(科学院)があり、最後に質疑応答をしてプログラムを閉じました。
 本研修が療養病床をお持ちの医療機関の皆様にとって、何らかのお役に立てばと願っております。なお本研修において用いたテキストを中心に編纂した『療養病床転換ハンドブック』を、施設科学部のwebページにて公開しております。ぜひアクセスしてみて下さい。
http://www.niph.go.jp/soshiki/shisetsu/ryouyou.html
文責・小林健一(施設科学部)

ユニットケア研修

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 国立保健医療科学院では社会福祉に関する研修を多数実施しており、このユニットケア研修もそのうちの一つです。特別養護老人ホームなどの介護保険施設は、四人部屋と大食堂で構成された建物のなかで集団的なケアを提供する時代が長く続きましたが、介護保険の導入を機に、自立支援や尊厳の保持などが謳われるようになり、個室とユニットから構成された建物のなかで個別ケアを提供することが目指され、2003年、ユニット型特別養護老人ホームが制度化されました。この仕組みは、その後、老人保健施設、介護療養型医療施設にも導入され、現在では介護保険施設におけるケアの普遍的なあり方として定着しています。当該研修は、都道府県ならびに政令市の介護保険施設担当職員を対象に、ユニットケアに対する理解を深めて頂き、その成果を施設整備ならびに指導監査に活かして頂くことを目的に実施しています。研修期間は3日間とし、厚生労働省老健局計画課ユニットケア担当官からの講義のほか、ユニット型施設における各種研修を担っているユニットケア推進室、ユニット型施設を運営する施設長を講師としてお招きし、ユニット型施設の運営を具体的に説明頂きながら、理解を深めてゆくプログラムとなっています。ユニットケアに対する理解を踏まえて頂いた後に、具体的な図面の読み方、指導監査との関連性など、参加者の日々の業務への活かし方について議論を進めました。研修の最終日には先駆的な取り組みを行っている自治体から具体的な体制づくりをご説明頂き、参加者の皆さんが所属する自治体での応用可能性などをイメージして頂きます。
 参加者の皆さんはここでの成果を職場に持ち帰って伝達する役割も担っていることから、一方的な講義形式は最小限とし、参加者自身で考えたり、グループでディスカッションする方法を取り入れることで、視野を広げるとともに、自分の言葉で説明できるような研修を目指しています。介護保険施設の適切な運用において行政職員は大きな役割を担っています。個別ケアの推進に向けて、事業者と行政がよりよく連携してゆけることを目指し、施設・行政、皆様のお力を借りながら、より効果的な研修を行っていきたいと思っています。

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