本研修は、行政保健師等を対象に、関連する諸制度の動向や、専門職に求められる役割を理解し、地域特性に応じた保健活動の企画・実施・評価ができる実践能力の習得をめざすことを目的としています。
今年度は46名の方が5日間の研修を修了されました。
研修プログラムは、厚生労働省からの難病対策の改革や、障がい者支援法などを含めた国の制度や動向の説明、難病の治療や研究の第一人者である外部講師による、最新の治療や診断、遺伝カウンセリング、病院・地域連携、難病相談支援センターの役割と連携、在宅療養者の環境整備などについて講義を行っていただきました。
また、地域診断から、地域ケアシステム構築のための企画立案演習も行いました。盛りだくさんのメニューでしたが、講師陣とフロアでは活発なディスカッションが行われました。
受講生の感想(一部抜粋)
「難病対策については、紙面からだけではわからない部分を直接うかがうことで理解が深まり、日々の保健活動を考え直す良い機会になりました。」
「全国の保健師と地域の課題の共有やディスカッションをすることで、自分の地域の課題について再確認し、解決へ向けたヒントがたくさん得られました。」
「所内では難病対策は優先度が低いと言われることが多く担当者として悩んでいたが、研修の受講により支援の基本に立ち返ることができ、モチベーションがアップしました。」
本年1月に示された難病対策の改革の提言には、保健所を中心とした地域支援ネットワーク構築の役割が期待され、より専門性の高い保健師の人材育成が求められております。今後も難病患者さんや家族、地域のニーズに応じた保健活動の推進者となり得るよう、研修プログラムのさらなる充実を図りたいと考えております。
次年度以降も、多くの自治体の難病担当者の研修へのご参加を待ちしております。
最後になりましたが、本研修には様々な関係者、専門の諸先生方から多大なご支援・ご協力を賜りました。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
研修主任:奥田博子(生涯健康研究部)