研修: 2013年11月アーカイブ

本研修は、行政保健師等を対象に、関連する諸制度の動向や、専門職に求められる役割を理解し、地域特性に応じた保健活動の企画・実施・評価ができる実践能力の習得をめざすことを目的としています。
 今年度は46名の方が5日間の研修を修了されました。

 研修プログラムは、
厚生労働省からの難病対策の改革や、障がい者支援法などを含めた国の制度や動向の説明、難病の治療や研究の第一人者である外部講師による、最新の治療や診断、遺伝カウンセリング、病院・地域連携、難病相談支援センターの役割と連携、在宅療養者の環境整備などについて講義を行っていただきました。

また、地域診断から、地域ケアシステム構築のための企画立案演習も行いました。盛りだくさんのメニューでしたが、講師陣とフロアでは活発なディスカッションが行われました。


講生の感想(一部抜粋)

「難病対策については、紙面からだけではわからない部分を直接うかがうことで理解が深まり、日々の保健活動を考え直す良い機会になりました。」

「全国の保健師と地域の課題の共有やディスカッションをすることで、自分の地域の課題について再確認し、解決へ向けたヒントがたくさん得られました。」

「所内では難病対策は優先度が低いと言われることが多く担当者として悩んでいたが、研修の受講により支援の基本に立ち返ることができ、モチベーションがアップしました。」


 本年
1月に示された難病対策の改革の提言には、保健所を中心とした地域支援ネットワーク構築の役割が期待され、より専門性の高い保健師の人材育成が求められております。今後も難病患者さんや家族、地域のニーズに応じた保健活動の推進者となり得るよう、研修プログラムのさらなる充実を図りたいと考えております。

次年度以降も、多くの自治体の難病担当者の研修へのご参加を待ちしております。

最後になりましたが、本研修には様々な関係者、専門の諸先生方から多大なご支援・ご協力を賜りました。

この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 研修主任:奥田博子(生涯健康研究部)

短期研修「特定疾患医療従事者研修(難病相談・支援センター職員研修)」を1078日の2日間で開催いたしました。受講者は19名でした。

難病相談・支援センターでは、特定疾患患者および家族に対し、療養生活・就労等多岐にわたる相談・支援を行っています。したがって、単に難病に関する基礎知識だけでなく、就労支援のための制度に関する知識や相談スキルなどについて幅広く身につけていることが求められます。そこで本研修では、(1)難病対策の新しい動向と課題、(2)相談・援助の技術、(3)特定疾患患者の就労や職業生活における課題・ネットワークを効果的に活用した支援、(4)相談・支援を的確にすすめていくマネジメントスキル、を4本の柱として、研修プログラムを組んでいます。

研修の中では、新たに開発された電子記録票システムについて、実際にPCを操作しながら活用方法を学習する機会を設けました。単に記録を残すだけでなく、他の自治体の相談記録を閲覧・活用したり、登録された情報をもとに全体的な相談の傾向を把握することも可能になります。これによって、今まで十分に活かされていなかった各都道府県のセンター間のヨコのつながりが活性化していくことが期待されています。

また、就労支援に関する研修科目では、現在地域で活用できる就労支援のための制度についての講義や、雇用する側(企業側)の新たな取り組みについての講義を組み合わせたうえで、一つの事例について検討しながら効果的な多機関連携のあり方について考えるグループワークを行いました。

難病には様々な種類があり、また、同じ疾患でも患者・家族が抱える問題は多種多様です。それだけに、相談支援に従事する難病相談・支援センターの職員には、幅広い知識・スキルに加えて、一人ひとりの相談者に寄り添う姿勢が不可欠です。講義とグループワークとを取り入れた2日間の本研修が、日々の相談支援の実践のますますの質の向上につながるよう、今後も研修内容に充実に努めてまいります。

(研修主任 松繁卓哉)

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