平成18年の医療制度改革において示された療養病床の再編成政策を受けて、国立保健医療科学院では平成19年度より、①病院事業者の方々を対象とした「療養病床転換の未来を考える研修」と、②地方自治体において療養病床の転換支援業務を担う方々を対象とした「療養病床の再編支援研修」の2種類の短期研修を行っています。ここでは病院事業者の方々を対象に平成20年12月10日~12日の3日間で開催した、平成20年度「療養病床転換の未来を考える研修」について報告します。
研修1日目は、療養病床再編政策の状況(厚生労働省担当者)、転換先として考えられる介護保険施設・高齢者施設等の類型とサービスの全体像(科学院)についての講義を行いました。
2日目は、療養病床再編を見据えた病院経営戦略の考え方についての講義(外部講師)、病床転換に伴う資金調達についての講義(外部講師)、そして先進的な病院経営戦略を立てている3病院の先生方からの事例報告をしていただきました。さらに事例報告いただいた先生方を交えて、小グループに分かれての意見交換・議論を実施しました。
3日目は、建築および経営の観点からみた病床転換先進事例の紹介(科学院)、収支シミュレーションの方法(外部講師)について講義があり、最後に質疑応答をしてプログラムを閉じました。
受講された方々からは、療養病床再編政策のなかで厳しい経営判断をせまられているとの声が多くありました。本研修が療養病床をお持ちの医療機関の皆様にとって、何らかのお役に立てばと願っております。
施設科学部 小林健一