2010年1月アーカイブ

 今年度(21年度)から従来の公衆衛生看護管理者研修を(実務管理)と(人材管理)の2本立てで構成をし直し、人材管理編を平成21年9月1日からのe-ラーニング(遠隔研修)と9月14日(月)~(水)の3日間のスクーリング(集合研修)の組合せで実施しました。受講生の皆様、大変ご苦労様でした。
 研修受講者は、都道府県・保健所設置市・特別区の自治体で人材育成を担う(担う予定の)事務局保健師ならびに保健師の総括(統括)者等で33名でした。
 この研修は、県あるいは保健所設置市での実務的な人材育成ガイドライン作成に向け、人材育成の道筋を整える担当者が、その責務と役割を再確認し、マネジメントスキルを獲得することを目的としています。
 本研修は、25名の定員で5年間計画です。本研修受講により、厚生労働省の保健指導技術高度化支援事業 (補助率1/2)を活用することが可能になります。
 e-ラーニングは初の取り組みでしたが、人材育成に関する基本的な考え方、事業企画や評価の考え方、課題作成について、おおむね好評でした。理由は大きく2点! 1つは、管理的立場にとって職場の留守はできる限り短い方がいい。e-ラーニングの導入により、そのニーズに応える形になったこと。もう1点は、複数回見て理解に至るものがあり、確認のために何度も見ることができたなど、活用の際に自由裁量に幅が出て、効果的だったことです。一方課題もあります。事前に紙媒体で資料がほしい!土日の休日を使っての閲覧になった!あえて職場の理解を促すために、研修の一部だと大きな声で言いながら、職場で閲覧するよう努力した!など遠隔教育に対する無理解を正す努力を受講生に課した形となりました。
 今後は、科学院でのe-ラーニングのPRを含め、皆様の声を参考に改善し、より良い情報交流をめざしたいと思いますので、今回のように意見をたくさん頂ければと考えています。
 さて、研修はたったの3日間で人材育成計画を立てるというハードでしかもタイトなスケジュールにもかかわらず、受講生の意識が大変高く、私たちも身の引き締まる思いでした。頭の中、心の中からこぼれ落ちないように、早く戻って復命がしたい...とおっしゃっていた研修生の言葉が印象的でした。人材育成は、組織発展の鍵であり、専門家集団においては一生のテーマです。だからこそ、広く長期的に見据え、戦略的に進める道筋を築くことが重要になります。研修はその一歩であり、GOALではありません。
 ぜひ、今年度受講された皆さんと次年度受講を予定されている皆さんとのネットワークの橋渡しとして、そしてスタート台に立った仲間同士に科学院も加えていただき、国民の健康の守り手でもある公衆衛生の担い手の人材育成の方向性をともに考えていきたいと思っています。

研修副主任  中板育美(公衆衛生看護部)

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 平成21年11月27日に第三回保健医療科学研究会が実施されました。
 林謙治院長の開会挨拶のあと、「新型インフルエンザ対策」というテーマで、シンポジウムが行われました。まず、国の立場からとして、科学院の企画調整主幹でもある鈴木康裕厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部次長よりお話がありました。国の対策や今後の方針について、フロアからも数多くの質問が寄せられました。続いて、保健所の立場からとして、緒方剛茨城県筑西保健所所長が、また地方衛生研究所の立場からとして、地方衛生研究所全国協議会会長でもある小澤邦壽群馬県衛生環境研究所所長が、今回の対応の経緯や課題について述べられました。最後に、科学院の役割について、曽根智史公衆衛生政策部部長が説明しました。総合討議では、フロアからの質問や意見が数多く出され、聴衆の関心の高さがわかりました。
 昼休みには、平成21年度同窓会総会が行われました。宮里和子副会長が議長を務められ、すべての議事が滞りなく進行しました。
 午後は、同窓会委員、科学院職員による研究発表会が実施され、全部で19の演題が発表されました。極めて多岐に渡る研究成果が示され、活発な質疑応答が行われました。最後に、林院長より講評がありました。
 研究発表終了後1階の食堂にて、意見交換会が行われました。同窓会員、科学院職員の話の輪が広がり、予定を30分も超過するほどでした。
 今年度は、最終的に、研究会に81名、意見交換会に32名の参加がありました。参加して下さった皆様、関係の皆様に深く感謝申し上げます。科学院及び同窓会の発展のためには、来年度以降もこの研究会が発展していくことがとても重要だとの思いを強く持ちました。みんなで知恵を出し合っていけたらと思います。

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