特定研修「水道クリプトスポリジウム試験法実習」が2月12日~22日に実施されました(受講生23名)。
本研修は、地方衛生研究所、保健所、水道事業体等において水道原水等のクリプトスポリジウム試験に携わっている方又は今後携わる可能性のある方を対象として、水中に存在するクリプトスポリジウムオーシストを検出するための試験方法及び水道クリプトスポリジウム対策に関する専門知識の習得を目的に実施しています。といいましても、このトピックスをご覧になっている方で、クリプトスポリジウムをご存じない方が大半だと思いますので、簡単にご説明します。クリプトスポリジウムはヒトやウシ、ブタなどのほ乳動物の小腸に寄生する原虫です。水や食べ物を介してヒトに感染し、下痢、腹痛、吐き気や嘔吐などの症状がでます。健康な方であれば、症状は4日~7日程度でなくなります。長い場合は2週間ほどつづく場合もありますが、生命に関わる病気ではありません。平成8年6月には、我が国で初めて水道水を起因するクリプトスポリジウムによる集団感染症が埼玉県越生町で発生しました。この集団感染の発生を契機として、本研修も開講することになりました。国のクリプトスポリジウム対策の動向としては、昨年4月に従来の「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」が廃止され、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」が適用されることになりました。今回の研修では、この新しい対策指針を策定するにあたっての見直し点等を講義の中に盛り込みました。特に、浄水施設における対応として、原水のクリプトスポリジウム汚染の程度にしたがって紫外線処理設備の導入が可能となったことから、紫外線処理のご専門の先生に講義をしていただきました。
本研修では何といっても、副主任を務め、実習(後半7日間)をご担当される国立感染症研究所寄生動物部の先生方、外来講師の方々のお人柄と熟練した教え方にあります。実習は、今回受講生が23名でしたので、4つに班分けをし、各班には講師が最低1人つき、クリプトスポリジウム検出にあたっての一連の操作を手取り足取り教えます。毎年、数人顕微鏡を操作したことない方が受講しますが、研修の終わりのころには何とかクリプトスポリジウムを検出できるまでになります。今回も受講生の皆様からは本研修に対して、高い評価をいただきました。
さいごになりましたが、派遣元に帰られた受講生の皆様、同窓会会員の皆様のますますのご健勝とご活躍を、研修担当一同心からお祈り申し上げます。
研修主任:秋葉道宏(水道工学部)
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このページは、adminが2008年3月 7日 08:24に書いたブログ記事です。
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