国立保健医療科学院専門課程「国際保健分野」の研修期間が1年間となってから今年度で4年目を迎えている。このコースの授業、演習は、英語で行われている。合同臨地訓練(合臨)は「国際保健分野」のひとつの科目であり、2005年までは国内で行われていた。しかしながら、国内で英語をコミュニケ-ションの手段としたフィ-ルドの確保が困難になり、2006年からは、フィリピン大学公衆衛生大学院の協力のもとフィリピンで合臨が実施されている。
海外合臨は、ひとつのチームとして国際保健分野の人材に必要とされる資質の向上に資することを目的としている。この合臨の学習獲得目標の領域を①チ-ムによる学習、②プロセス指向、③ファシリテ-ション技術、④チ-ムワ-クの醸成、⑤リ-ダ-シップの発揮、⑥コミュニケ-ション技術としている。
海外合臨は、日本人も含め異なった国と職種の研修生から構成されたチ-ムによる問題指向型学習のアプロ-チを用いて実施されている。今年度のチ-ムの到達目標は、「フィリピン国二都市の保健局における助産師の訓練ニ-ズについて」という課題を設定し、この課題について現地で調査を行い調査報告書をまとめることである。そして、これらの調査結果と提言に基づきCHO(City Health Office)の関係者と研修生の間で情報の共有と意見交換を行う報告会を催すことであった。
このプログラムは、国内での準備期間(2週間)とフィリピンにおける臨地実習(2週間)の合計4週間となっている。国内での準備期間においては、海外合同臨地訓練の経緯と目的について研修生に説明し、特に、上記に掲げた学習目標を獲得するため合臨への積極的な参加を促している。また、この合臨の成果品である報告書の作成とその結果と提言に基づく報告会の開催と同時に、海外合臨を通して問題解決に至るプロセスを重視している。このことにより、「何を」という目的ばかりでなく、「どのように」というプロセスを学ぶことで将来遭遇するだろう同様な問題を解決するのに役立つことが期待できると思われる。また、実践的な問題解決に至るプロセスの思考とチ-ムとして目的を達成するための解を選択するプロセスを学習する機会が提供できているのではないかと考える。
人材育成部 綿引信義
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このページは、adminが2008年2月25日 14:53に書いたブログ記事です。
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