【情報提供】WHOによる日本の治験・臨床研究登録機関JPRNの認定について

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平成20年3月1日より,国立保健医療科学院技術評価部が運営する臨床研究(試験)情報検索サイト(以下ポータルサイト)が,本稼動を始めました。このポータルサイトは,研究者だけでなく患者や一般の方々に対する臨床試験の情報提供を意図しており,日本の臨床試験登録センターのうち,大学病院医療情報ネットワーク(UMIN),財団法人日本医薬情報センター(JapicCTI),社団法人日本医師会治験促進センター(JMACCT)の主な3センターに登録された全ての臨床試験の情報を横断的に単一の窓口で検索することができる画期的なサイトです。
この技術評価部と3センターUMIN,JapicCTI,JMACCTと厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室の5つの機関で構成される日本の臨床研究登録機関(Japan Primary Registries Network(以下,JPRN)で,日本における治験・臨床研究登録に係る協力体制を構築しています。このJPRNが平成20年10月16日,WHOが定めた基準を満たし,治験・臨床研究の計画,結果等の情報を登録・公開する機関(WHO Primary Registry)として,全世界で9カ国目に認定されました。

なぜ臨床試験情報を登録する必要があるのか?というと,臨床試験を実施する前に試験計画を適切に公開することで,臨床試験の透明性を確保し,被験者保護と治験・臨床研究の質を担保することが目的として挙げられます。また,臨床試験に対する一般国民の信頼と理解を得ることにも繋がり,試験結果の公表に関するバイアス(publication bias)を避けるという意味でも大変重要なことです。さらに,平成20年7月31日に改正された「臨床研究に関する倫理指針」にも研究責任者の責務として,侵襲性を有する介入研究は,上記の3登録センターのいずれかに事前に臨床研究計画を登録しなければならないと明記されるようになりました。

臨床研究(試験)を登録するメリットについては,平成16年9月にICMJE(International Committee of Medical Journal Editors)から臨床試験の実施と報告の透明性を高めるために論文投稿を受付ける条件として,一定基準を満たす登録システムに登録していることが要求され,登録IDのない場合は掲載しない旨の声明が出されています。この度JPRNがWHO Primary Registryに認定されたということは,3つの登録センターのいずれかに事前に臨床試験情報を登録さえすれば,臨床研究結果を論文としてLANCET,JAMA,NEJM等々のICMJEに加盟する一流雑誌に投稿できるようになったことを意味しているのです。これは、日本で実施される臨床試験の結果を世界に向けて発信する上でも有益なことです。

では,臨床試験情報を登録する情報として,どのような項目が必要かについては,WHOのICTRP(International Clinical Trials Registry Platform)で国際的に情報を共有化するための20の最少登録項目が定められています。具体的な臨床試験の登録方法の詳細等については,ICTRPあるいは上記の3登録センターの各ホームページを参照してください。一方,ポータルサイトでは,現在どのような対象にどのようなデザインの臨床研究が計画されているか,あるいは実施されているかを,適当なキーワードを入力あるいは選択することで必要な情報が容易に収集できるため,登録を考えている研究者にとって具体的な登録項目の参考にも利用できる有益なサイトなのです。

是非,この機会にポータルサイトを臨床試験に係わる全ての人々それぞれの立場で有効に活用していただき,臨床試験情報の登録の必要性やJPRNについて関心を持っていただけることを期待しています。

国立保健医療科学院 技術評価部
(1/13のメルマガで、リンクが外れていたためここに再掲します。同窓会Admin藤井)

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このページは、adminが2009年1月27日 12:00に書いたブログ記事です。

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