平成21年度の疫学統計研修は、8月31日月曜日,夏の大雨の中スタートしました。受講生した17名は,国や地方公共団体,大学関係者,民間企業に所属した医師、獣医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師,歯科衛生士などで,北は北海道,南は長崎まで全国からの参加でした。10日間の研修は、担当の先生方の紹介やオリエンテーション、24時間利用できる図書館や情報利用室の説明から始まりました。図書館に至っては,国会図書館以上の蔵書量を備える図書も揃っており,科学院の規模の大きさを感じ取ることができました。さらに,講義になると、疫学基礎、研究デザインの設計法などを説明いただきました。また,演習としてもSPSSを用いた解析方法など具体例のなかで実践していくことで,解析の意味やプロセスを理解することができました。私自身、疫学研究の実施の経験がないため、座学以外で基礎から実践まで取り組むことができ、非常に新鮮でした。また,これまでの自分の中だけでまとまっていた考え方の修正をすることができ貴重な時間でした。今回の研修では、検討会も含めた発表会が3回実施されましたが,先生方や仲間とともに、何度も討論しながら発表会に向けて取り組んだことは大きな励みとなりました。
この研修を通じて、疫学の実践方法はもちろんのこと、さまざまな方とめぐり会うことができました。発表会のために夜遅くまで解析室にこもって解析したこと、最終試験問題の答案を討論しながら作成したこと、研修を受講した目的や職種は違えど、10日間をともに過ごした時間の意味はとても大きく掛け替えのないものとなったと感じています。研修最終日の発表会のあと、ほとんどの受講生から発せられた言葉は、「大変だった」でした。それほど密な時間を過ごすことができたことは言うまでもありませんが,この研修を通じて得た経験を,「雨降って地固まる」ように是非今後の業務に活かしていきたいと思っています。
最後に,ご指導いただきました諸先生方ならびに関係者の皆様、大変貴重な経験をさせていただき有り難うございました。ともに研修を戦い抜いた受講生の皆さん、お疲れ様でした。今後ともどうぞ宜しくお願いします。