admin: 2008年12月アーカイブ

 平成18年の医療制度改革において示された療養病床の再編成政策を受けて、国立保健医療科学院では平成19年度より、①病院事業者の方々を対象とした「療養病床転換の未来を考える研修」と、②地方自治体において療養病床の転換支援業務を担う方々を対象とした「療養病床の再編支援研修」の2種類の短期研修を行っています。ここでは病院事業者の方々を対象に平成20年12月10日~12日の3日間で開催した、平成20年度「療養病床転換の未来を考える研修」について報告します。
 研修1日目は、療養病床再編政策の状況(厚生労働省担当者)、転換先として考えられる介護保険施設・高齢者施設等の類型とサービスの全体像(科学院)についての講義を行いました。
 2日目は、療養病床再編を見据えた病院経営戦略の考え方についての講義(外部講師)、病床転換に伴う資金調達についての講義(外部講師)、そして先進的な病院経営戦略を立てている3病院の先生方からの事例報告をしていただきました。さらに事例報告いただいた先生方を交えて、小グループに分かれての意見交換・議論を実施しました。
 3日目は、建築および経営の観点からみた病床転換先進事例の紹介(科学院)、収支シミュレーションの方法(外部講師)について講義があり、最後に質疑応答をしてプログラムを閉じました。
 受講された方々からは、療養病床再編政策のなかで厳しい経営判断をせまられているとの声が多くありました。本研修が療養病床をお持ちの医療機関の皆様にとって、何らかのお役に立てばと願っております。

施設科学部 小林健一

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♪ 意見交換会?? ♪
 「石神井公園まで歩こう会」は、11月27日、職員約20名の参加で実施されました。天気は今にも雨の降りそうな曇りでしたが、なんとかゴールまでは持ち、5.6㎞の道のりを各自のペースで日頃の仕事や研修での辛いことを忘れて楽しく歩きました。

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目的地到着後は「健康づくりに関する意見交換会」と称した「???」となりました。 仕事の都合で「意見交換会」のみに駆けつけた職員の方もいらっしゃいましたので、「歩こう会」よりも「意見交換会」の方が盛況となりました。
そのため、次回からは「意見交換会」の内容をもっと考えなければと反省させられました。
しかし、体(頭)を使った後の「意見交換会」でしたので、皆さんご満悦の様でした。

 「児童相談所中堅児童福祉司・児童心理司合同研修」は、児童相談所の中堅の児童福祉司又は児童心理司の皆様方が効果的な児童虐待の相談援助を進めるために、他職種・他機関との連携に関する意義を理解し、必要な知識・技能を修得することを目的とするものです。
 本年度は、11月19日(水)から11月21日(金)までの3日間の研修で78名の児童福祉司・児童心理司の方が研修を受講、修了いたしました。講師としては、厚生労働省のほか、児童相談所や市町村、日本子ども家庭総合研究所、法律事務所、国立成育医療センターなどの外部講師をお招きするとともに、本院においても福祉サービス部だけでなく、公衆衛生看護部や生涯保健部、政策科学部の職員も参加し、現場に即した内容を目指して企画いたしました。
 内容は、まず、児童相談所の今日的課題や、児童福祉司・児童心理司の果たすべき役割と協働について講義を行いました。
 次に、家庭復帰における児童相談所と他機関との連携協働というテーマについて、講義、児童相談所及び市町村の3名の方からの実践報告、シンポジウム形式で受講者も交えた意見交換を行い、議論を深めました。
 さらに、このような研修には事例研究を通した双方向の議論が不可欠ですが、今回も、家庭復帰時の支援に関して、7~8人程度の小グループに分かれた事例検討を行い、受講者の実践力アップを目指しました。
 最後に、今回の研修では、このほか、トピックスとして3つの講義を設定しました。第一に、相談場面における危機対応、第二に、家庭裁判所と児童相談所との連携、第三に、近年、その対応が問題となっている性的虐待についてであり、それぞれのトピックスについて有識者の先生方から貴重なお話をいただきました。特に、第一の相談場面における危機対応は、児童虐待対応にも参考となる点が多いのではないかという観点から、医療安全における危機対応や事故予防の手法を紹介する内容としました。
 なお、今回の研修では、初日からグループワークを設け、具体的には、児童相談所内での専門職の連携の現状と課題に関するフリートークを実施しました。国立保健医療科学院の研修の意義のひとつに、研修参加を機に受講者相互がネットワークを構築して、研修終了後もさまざまな場面で交流したり、連携したりできるようにするということがあると思います。その意味で、相互交流のきっかけとなる機会を研修初日という早めに設けたことは、交流の充実という観点からも有益ではなかったか、と考えています。

福祉サービス部 赤澤 公省、森川 美絵、公衆衛生看護部 中板 育美

 平成20年度のトップリーダー研修は12月2日(火)から12月5日(金)の4日間行い無事終了しました。今年度のトップリーダー研修の一般目標は「病院経営の質を向上させるために、病院経営における戦略マネジメントの考え方を修得する」ことでした。受講者の目標達成度と満足度は非常に高く、研修は大きな成果を上げることができたと私たちは自負しています。
 トップリーダー研修は平成19年度に新たに立ち上げた研修なので、その概要をここで説明しておきましょう。今日のように医療環境が急速に変化する中では、医療機関を環境の変化に適応させるリーダーシップが非常に重要です。実際にリーダーシップを発揮しなければならないのは医療機関の経営陣です。一般的に経営陣は院長、副院長、事務部長、看護部長、診療部長等で構成されています。医療機関の重要な方向性を決定するのはこの経営陣です。
 トップリーダー研修は医療機関のリーダーシップを十分に発揮できる人材を育成することを目的にしています。そのため研修は実務でのリーダーシップの発揮を意識した演習を中心に行っています。受講者は経営陣を構成するいろいろな分野の管理者から選びます。今年度は42名(医師、看護師、事務、医療SW等の各領域の管理者)の受講者が全国から参加しています。研修の基本構成は各テーマについて「知識の獲得(講義)→個人能力の向上(宿題)→リーダーシップ機能の向上(グループ演習)」となっています。
平成20年度の目標は「病院経営における戦略マネジメントの考え方を修得する」ことでした。戦略マネジメンは非常に重要なコンセプトにもかかわらず、医療従事者が良く理解していないところです。この目標を達成するために必要な研修内容から,受講生が研修に要する時間を「午前は3時間の講義(9:00~12:00)、午後は5時間のグループ演習(13:00~18:00)、宿題は3時間(翌朝9時提出)」と想定しました。実際にはグループ演習は時間が足りず、連日延長して行いました。
 平成21年度のトップリーダー研修は研修期間を1日増やし、内容をバージョンアップして年2回開催します。詳細は当院ホームページの研修案内でご確認下さい。演習を中心にした研修で大きな成果をあげるには,参加者全員の積極性が非常に重要なポイントになります。限られた時間で最大の成果を得るために、受講者は当院の宿泊施設に宿泊することが望ましいと思います。トップリーダー研修の受講生には知力・体力・協調性・高いモチベーションを期待します。当院の病院長研修、看護部長研修、事務部長研修等を過去に受講した方の参加も大歓迎です。

経営科学部長 熊川寿郎

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