admin: 2009年12月アーカイブ

歯科保健研修

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●内容と対象層
 「歯科」というと歯科医院での治療を連想する人が多いと思いますが、むし歯(う蝕)や歯周病(歯周疾患)の大きな特徴は、ある程度の予防が可能である点です。ことに、行政が歯科保健対策に主体的に取り組んだ場合の効果は大きく、「健康日本21」「健康増進法」では「歯の健康」が各論の1つとして位置づけられています。
 全国の行政で常勤として雇用されている歯科専門職(歯科医師・歯科衛生士)は約千人いますが、本研修ではこれらの人々に対し専門職として歯科保健対策を効果的に進めていく手立てを学びます。

●経緯
 本研修は、1996年から科学院の前身・国立公衆衛生院で行われていた「歯科衛生士研修」を引き継いだものです。本研修は昨年度(2008年度)まで全国の地方自治体に勤務する歯科衛生士を対象として行われ、延べ約300名が受講しています。これは全国の地方自治体に勤務する常勤歯科衛生士の3割強にのぼり、数こそ多くはないものの、率でみた参加状況は比較的高いといえそうです。
 しかし、補足率の高さは見方を変えれば対象層を見直す必要が生じてきたことを示すものでもあります。実際、受講者数は漸減傾向にあったことと、歯科医師に対する歯科保健の短期研修が科学院で行われていなかったこと等の理由から、歯科衛生士研修をフルモデルチェンジして、今年度から新たに「歯科保健研修」をスタートさせることにしました。

●フルモデルチェンジの内容:遠隔教育との併用
 新たに変えた内容は、①集合研修を従来の2週間から1週間に短縮した点、②短縮した分を遠隔教育で補う点の2点です。
 このうち、①については、対象層が女性中心で子育て中の方も少なくないことから、1週間が適当と判断しました。②については、私自身が科学院で2002年度から開始された遠隔教育に当初から関わっていたため、集合研修とのドッキングを決める際の抵抗感は全くありませんでした。

●研修開始(遠隔教育スタート)
 とは言いながら、遠隔教育と集合研修のドッキングは個人的には初めての経験ですし、科学院で行われる幾多の研修でも前例が限られているため、準備は結構大変でしたが、迷いながらも、「遠隔(4週間)→集合(1週間)→遠隔(3週間)」という流れとしました。
 そうこうしているうちに月日は流れ、2009年7月22日、いよいよ研修開始となりました。最初は遠隔教育でした。
 遠隔教育では、動画やPower Point・Word等の文書を教材とした講義を行い、掲示板で質疑・意見交換を行うというスタイルで進行します。当初、受講者の方々は、元々おとなしい方が多いのか(後にこの第一印象は見事に覆されます)、或いは遠隔教育に慣れていないのか、随分と静かなスタートでした。しかし、次第に遠隔教育にも慣れ、質疑・意見交換なども少しずつ弾んでくるようになり、いよいよ集合研修を迎えました。

歯科保健研修1.jpg歯科保健研修2.jpg●いよいよ集合研修(いきなりエンジン全開)
 2009年8月24日(月)、5日間の集合研修がスタートしました。
 集合研修では、とくに初日のアイスブレークが重要ですが、遠隔教育を事前に実施したことにより、これに費やす時間は最小限で済みました。とくに印象的だったのは初日に行った各受講者の「地域紹介」です。諸般の事情で「発表時間1分、質疑3分」という非常にタイトな条件で進行することになったのですが、実に快適なテンポで進行しました。集合研修の前から「質問しましょう~」と"質問力"を鍛える必要性をしつこく謳ってきた研修主任としては大変喜ばしく感じた次第です(受講者の方々には大きな負担をかけたと思いますが御容赦ください)。
 集合研修の後半はグループワークが中心で、自由に設定した課題について検討を行い、発表会では各受講者から相互評価も行いました。この際、前述した"質問力"を鍛えるべく、なるべく意見交換をする機会を多くとるようにしました。

歯科保健研修3.jpg●再び遠隔教育へ
 1週間にわたる集合研修の後は再び遠隔教育となります(3週間)。主な内容はレポート作成で、受講者の地元地域において近い将来、施策として実現可能になることを念頭に置いたテーマを設定します。今回は集合研修の直後でしたので、レポートの課題の多くが前述したグループワークの課題を深めるものが多く、比較的スムーズに作成作業に入ることができたようです。このレポートは、修了時評価として提出後に各受講者から相互に評価してもらうようにしたのですが、掲示板上で自然発生的に相互評価が始まったのには驚きました。右図は、これに関する掲示板発言(スレッド)を示したものですが、5日間で92の発言がありました。「他者を評価する/他者の評価を受け入れる」ことに対して、世間一般で見かける障壁が取り払われたということなのだと思います。このように、研修後半は遠隔教育が大変な活況を呈して、研修は無事終了となりました(受講者の皆様、お疲れ様でした)。

●研修後のフォローアップ(研修修了者の集い)と今後の課題
 本研修を修了した受講者には、研修のフォローアップとして「研修修了者の集い」への加入を呼びかけています。この、「研修修了者の集い」は遠隔教育のシステムを用いた科学院の口腔保健に関する研修を修了した方々のために設けたもので、いわば研修の「同窓会」のようなものです(実際、同窓会長もいます)。科学院の同窓会よりも3年早い2004年に設立されています。今回の研修修了者からも、かなりの新規加入者がありました。今後、研修フォローアップのツールとしてさらに機能していくことが期待できると思われます。
 最後に本研修の「課題」を述べます。それは「受講者数」で、今回も修了者は10名とかなり少なく、PRの必要性を痛感しながら本記事を書いているところです。なお、興味を持たれた方は下記宛まで御連絡ください。

   本研修主任:安藤雄一(国立保健医療科学院・口腔保健部)
    (Mail) andoy@niph.go.jp、(Tel) 048-458-6283、(Fax) 048-458-6288

疫学統計研修

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平成21年度の疫学統計研修は、831日月曜日,夏の大雨の中スタートしました。受講生した17名は,国や地方公共団体,大学関係者,民間企業に所属した医師、獣医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師,歯科衛生士などで,北は北海道,南は長崎まで全国からの参加でした。10日間の研修は、担当の先生方の紹介やオリエンテーション、24時間利用できる図書館や情報利用室の説明から始まりました。図書館に至っては,国会図書館以上の蔵書量を備える図書も揃っており,科学院の規模の大きさを感じ取ることができました。さらに,講義になると、疫学基礎、研究デザインの設計法などを説明いただきました。また,演習としてもSPSSを用いた解析方法など具体例のなかで実践していくことで,解析の意味やプロセスを理解することができました。私自身、疫学研究の実施の経験がないため、座学以外で基礎から実践まで取り組むことができ、非常に新鮮でした。また,これまでの自分の中だけでまとまっていた考え方の修正をすることができ貴重な時間でした。今回の研修では、検討会も含めた発表会が3回実施されましたが,先生方や仲間とともに、何度も討論しながら発表会に向けて取り組んだことは大きな励みとなりました。


疫学統計研修写真.jpg

この研修を通じて、疫学の実践方法はもちろんのこと、さまざまな方とめぐり会うことができました。発表会のために夜遅くまで解析室にこもって解析したこと、最終試験問題の答案を討論しながら作成したこと、研修を受講した目的や職種は違えど、10日間をともに過ごした時間の意味はとても大きく掛け替えのないものとなったと感じています。研修最終日の発表会のあと、ほとんどの受講生から発せられた言葉は、「大変だった」でした。それほど密な時間を過ごすことができたことは言うまでもありませんが,この研修を通じて得た経験を,「雨降って地固まる」ように是非今後の業務に活かしていきたいと思っています。


最後に,ご指導いただきました諸先生方ならびに関係者の皆様、大変貴重な経験をさせていただき有り難うございました。ともに研修を戦い抜いた受講生の皆さん、お疲れ様でした。今後ともどうぞ宜しくお願いします。


 

日本自動車研究所 エネルギ・環境研究部 健康影響グループ  机 直美

時下、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
本院の教育研修事業及び国際協力事業につきましては、日頃よりご協力を賜り誠にありがとうございます。
さて、この度、「国立保健医療科学院(NIPH)・韓国保健社会研究院(KIHASA) 共同シンポジウム」を下記のとおり本院にて開催することとなりました。
期日も迫り、また年末のご多忙の折の開催ではございますが、皆様方に多数ご参加くださいますようご案内申し上げます。

1.日時  平成21年12月18日(金) 午前10時00分~午後4時45分
       (9:10より受付開始)
(シンポジウム終了後、17:45より意見交換会を1F食堂にて予定しております。)

2.場所  国立保健医療科学院 2F交流対応大会議室

3.参加申込み   会場準備の都合上、大変恐縮ですが12月10日(木)までに参加申
込書に氏名、ご所属、連絡先をご記入の上、下記連絡先までFaxで
送信頂くか、同内容をメールにてご連絡頂きたくお願い申し上げます。
(尚、本申込みでご記入頂きました情報は、当シンポジウム開催準備の
みに利用され、その他の目的に利用することは一切ございません。)

参加申込書・プログラム091127nikkan.pdf
   
(問い合わせ先)
〒351-0197  
埼玉県和光市南2-3-6
国立保健医療科学院総務部総務課庶務係
E-mail:niphkihasa@niph.go.jp
TEL:048-458-6218 (直通)
FAX:048-469-1573    
国立保健医療科学院ホームページ
http://www.niph.go.jp/

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