admin: 2009年6月アーカイブ

 平成21年度の「要介護認定調査員指導者研修」が、交流対応大会議室において、5月20日・21日の両日にわたって開催されました。
 本研修は、都道府県・市町村及び指定市町村事務受託法人において要介護認定の調査業務に実際に従事している熟練した職員の方々を対象とし、要介護認定の調査方法や評価項目の定義といった専門的な技術や知識を正確に習得していただき、それぞれの調査業務の現場で、指導的な立場としてより一層の適正な認定業務を遂行していただくことをねらいとしているものです。
公的介護保険の被保険者が保険給付を受けるためには、まず保険者(以下、市町村)が行う要介護(要支援)認定を受ける必要があるので、市町村や、市町村から委託を受けた指定市町村事務受託法人などの認定調査員が行う認定調査は、介護保険制度の入り口となる極めて重要な役割を担っています。

kaigo1.JPG 本研修は、福祉サービス部(研修主任:筒井孝子福祉マネジメント室長)が担当していますが、各認定調査項目の評価・ADLの評価については全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会会長の石川誠先生に、認知機能及び精神行動障害については国立精神・神経センター精神保健研究所精神生理部部長三島和夫先生に講義をしていただきました。その他にも各分野の専門家の先生方に講師をお願いし、研修にご協力をいただいております。  研修1日目は、最初に、研修主任である筒井室長から、カリキュラムの目的と意図が話されたあと、すぐに基礎的な知識を把握することを目的として試験が実施されました。この結果により、カリキュラムの内容が若干、変更されました。
 講義の最初に厚生労働省人老人保健課課長補佐より、昨今の介護保険制度をめぐる状況や平成21年度介護保険制度改定の概要および要介護認定の変更点といった制度の大枠が紹介され、続いて筒井室長よりこれまでの要介護認定における基本的な考え方とその経緯について講義が行われました。午後からは、今回の要介護認定調査の具体的な変更点の考え方について説明がなされた後に、本日の習熟度を把握するための試験が実施されました。

kaigo2.JPG 2日目は、今回、変更になった認定調査項目の評価を中心に詳細な解説が続きました。受講生の方々は講師の先生方の話を熱心に聞き入り、講義の合間には現場での認定調査の経験にもとづいた実践的な質問がやむことはありませんでした。研修終了後には、各講師先生方に受講生の質問を求める行列ができるほどでした。
 この研修では研修実施前と初日終了後、そして研修終了後の3回、筆記試験を行っています。試験の結果をみると、2日間のうちに平均点が10点以上、上昇しており、受講生の方々の知識レベルが向上した成果が示されました。
 受講生の方々に感想をおうかがいすると、「自治体の仲間へ大変、良いお土産を持って帰れる」「テストによる評価を組み込んだ研修プログラムによって、自覚をもって取り組めた」など好意的な意見が多く、こうした試験による習熟度評価は、受講生の方々にも評判が良いようです。
 全国の自治体を代表して来られた熱心な認定調査員の指導者の方々によって、介護保険制度を支える認定調査が成り立っていることを改めて感じた2日間の濃密な研修でありました。

福祉サービス部 松繁卓哉

このアーカイブについて

このページには、admin2009年6月に書いたブログ記事が含まれています。

前のアーカイブはadmin: 2009年5月です。

次のアーカイブはadmin: 2009年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。