●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●    国立保健医療科学院同窓会 メールマガジン(第6号 2007/12/17) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ★☆ メールマガジン第6号 ☆★ “年末のご挨拶” 年の瀬も押し迫ってまいりました。 会員の皆様に心より御礼と年末のご挨拶を申し上げます。 本年3月に発足した科学院同窓会は、インターネットを通じた活動が中心ですの で、ホームページ(http://www.niph-doso.gr.jp/)とメールマガジンの発信に力 を注いできました。  11月には、ホームページをリニューアルし、「掲示板」、「部会コーナー」等 を新設するなど、その内容の充実に努めて参りました。  でも、……    ちょっと寂しい…… まだまだ、…… という気もして 「そんなの関係ない」などと言わないで、来年こそ、メールマガジンへの投稿、掲 示板への書き込み等をお待ちしておりますので、よろしく!  また、年明け早々(2月1日)に開催されます記念すべき第1回保健医療科学研究 会に奮って参加されますようお願いいたします。  来年は、もっともっと親しみやすいホームページづくりを中心に、同窓会のさら なる活性化を目指していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それでは、来年も素晴らしい年でありますように!  平成19年12月17日                  国立保健医療科学院同窓会事務局 同窓会ホームページ全面更新!(http://www.niph-doso.gr.jp) 掲示板など新たな機能が追加されました!ぜひ一度ご覧ください。 ----------------------------------------------------------------------- □ 目次 ●特別寄稿「鳥インフルエンザと知的所有権」 国立保健医療科学院長 篠崎英夫 [科学院だより] ●特別課程「医療放射線監視コース」が終了 ================================================================== ○「鳥インフルエンザと知的所有権」               国立保健医療科学院長 篠崎英夫  一年中で一番季候のよいジュネーブで、去る5月に開催されたWHO執行理事会に 出席してきました。34人の執行理事の三分の一が入れ替わるので、例年、平穏 なことが多いのですが、今回ばかりはそうはいきませんでした。  1月に就任したマーガレット・チャン新事務総長の下での初のWHO総会と、それ に続く執行理事会では、まず台湾の加盟問題が多数決で否決されるという政治的 課題の他では、鳥インフルエンザ問題が今までにないまったく新しいホットな議 題となりました。  インドネシアの厚生大臣(医師・女性)率いる政府代表団は、当国で発生した H5N1ウイルスの患者株には知的所有権があると主張したのです。従来、開発途上国 でのインフルエンザ発生株は、世界に4ヵ所あるWHO協力センターに送られ、メー カーがワクチンを製造・販売し、主として先進国の人たちに予防接種され、ウイル ス株を提供した開発途上国の国民には恩恵が及びませんでした。公衆衛生の理念か ら、これはアンフェアであることの主張です。  スペインかぜのような被害を出さないために、また直近でのSARS事例の轍を踏ま ないためにも、WHOはその主役を果たさねばなりません。WHOインフルエンザ協力セ ンターネットワークでは、日本の国立感染症研究所、米国CDC、英国、オーストラリ アの4ヵ国の施設が主要メンバーとして大きな役割を担ってきました。いつ来るか わからないH5N1のヒトへのパンデミックを防止するためには、早急に6つの地域か ら4人ずつの計24人の専門家会合と政府間協議を始める必要があります。マーガ レット・チャン新事務総長の手腕に期待が寄せられています。 ※「日本医事新法」No4345(2007年8月4日)の「緑陰随筆」(59〜60p)に掲載された ものです。 ------------------------------------------------------------------------- ○特別課程「医療放射線監視コース」終了 医療機関への立入検査などで必要な医療放射線安全などに関する最新の専門知識や 技術を得ることを目的として、地方公共団体の専門技術者12名を対象に医療放射 線監視コースを開講しました。  研修を効率化して和光での集合研修は1週間とこれまでの半分にしました。短縮 した分は、その前の1週間の遠隔教育で補いました。また、遠隔科目開設の2週間 以上前から遠隔教育システムを試験的に運用し、遠隔教育にも慣れていただくよう に配慮しま した。 遠隔教育では、それぞれの事情に合わせて、職場での多忙な業 務の間や業務終了後にそれぞれの課題に取り組んでいただきました。  集合研修では、最新の情報や新しい視点での考え方、それに自習では学習に限界 があると考えられる事項を中心に講義し、放射線計測実習や医療放射線安全管理に 関する事例研究にも取り組んでいただきました。また、病院見学では、近隣の国立 病院機構埼玉病院を訪問し、今年度に新しく開始された密封小源治療や最新鋭の治 療装置が入っている診療用高エネルギー放射線発生装置などを見せていただきまし た。  今年度は、この見学時に合わせて、法令の整備が課題となっている放射化物の取 扱に関連する熱中性子束の測定も試みました。  放射線診療が高度になるにつれて、それに応じた品質管理が課題になっています。  このコースでは、そのような最先端のテーマから、日常の業務で直面されている 法令適用の問題を取り上げ、率直に意見交換するとともに、科学的な検証にもつと め、医療に役立つ立入検査業務のあり方を全員で考えました。  研修終了後のフォローアップとして、今年度から、研修修了生のご要望を取り入 れ、研修修了生を対象にしたメーリングリストサービスだけでなく遠隔教育システ ムを用いた研修修了生のつどいを開設することにしました。この研修で学ばれ考え られたことを、現場での業務に反映されて、放射線安全や医療安全に貢献されるこ とを期待しています。  また、来年度はより多くの方が受講されることをお待ちしています。 (生活環境部 山口、研修企画部 寺田) -------------------------------------------------------------------- 発行 :国立保健医療科学院同窓会