●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●    国立保健医療科学院同窓会 メールマガジン(第11号 2008/3/10) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ★☆ メールマガジン第11号 ☆★ 同窓会ホームページ更新!(http://www.niph-doso.gr.jp)  トピックス、メールマガジン更新! 【掲示板に書き込み募集中】 ---------------------------------------------------------------------- □ 目次 [科学院だより]  ●特定研修「水道クリプトスポリジウム試験法実習」 ====================================================================== ○特定研修「水道クリプトスポリジウム試験法実習」が2月12日〜22日に実施 されました(受講生23名) 本研修は、地方衛生研究所、保健所、水道事業体等において水道原水等のクリ プトスポリジウム試験に携わっている方又は今後携わる可能性のある方を対象 として、水中に存在するクリプトスポリジウムオーシストを検出するための試 験方法及び水道クリプトスポリジウム対策に関する専門知識の習得を目的に実 施しています。といいましても、このトピックスをご覧になっている方で、ク リプトスポリジウムをご存じない方が大半だと思いますので、簡単にご説明し ます。クリプトスポリジウムはヒトやウシ、ブタなどのほ乳動物の小腸に寄生 する原虫です。水や食べ物を介してヒトに感染し、下痢、腹痛、吐き気や嘔吐 などの症状がでます。健康な方であれば、症状は4日〜7日程度でなくなりま す。長い場合は2週間ほどつづく場合もありますが、生命に関わる病気ではあ りません。平成8年6月には、我が国で初めて水道水を起因するクリプトスポ リジウムによる集団感染症が埼玉県越生町で発生しました。この集団感染の発 生を契機として、本研修も開講することになりました。国のクリプトスポリジ ウム対策の動向としては、昨年4月に従来の「水道におけるクリプトスポリジ ウム暫定対策指針」が廃止され、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策 指針」が適用されることになりました。今回の研修では、この新しい対策指針 を策定するにあたっての見直し点等を講義の中に盛り込みました。特に、浄水 施設における対応として、原水のクリプトスポリジウム汚染の程度にしたがっ て紫外線処理設備の導入が可能となったことから、紫外線処理のご専門の先生 に講義をしていただきました。 本研修では何といっても、副主任を務め、実習(後半7日間)をご担当される 国立感染症研究所寄生動物部の先生方、外来講師の方々のお人柄と熟練した教 え方にあります。実習は、今回受講生が23名でしたので、4つに班分けをし、 各班には講師が最低1人つき、クリプトスポリジウム検出にあたっての一連の 操作を手取り足取り教えます。毎年、数人顕微鏡を操作したことない方が受講 しますが、研修の終わりのころには何とかクリプトスポリジウムを検出できる までになります。今回も受講生の皆様からは本研修に対して、高い評価をいた だきました。 さいごになりましたが、派遣元に帰られた受講生の皆様、同窓会会員の皆様の ますますのご健勝とご活躍を、研修担当一同心からお祈り申し上げます。                  研修主任:秋葉道宏(水道工学部) -------------------------------------------------------------------- 発行 :国立保健医療科学院同窓会