部会(看護部会)

・国立保健医療科学院同窓会栄養部会 部会長挨拶

平成20年10月17日に国立保健医療科学院同窓会栄養部会の設置を要望し、平成20年10月29日の同窓会総会において承認をいただき、栄養部会が設置されました。
設立されたものの実際の活動がまだ具体化しないまま3月を迎えてしまいましたが、部会設立を同窓会員の方々に御報告とともに、設立発起人を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 部会設立の趣旨・目的は、国立保健医療科学院(以下「科学院」という。)の公衆栄養関係の研修終了生の交流と連携及び親睦を図り、仲間づくり(ネットワーク)を構築し、情報と技術の共有を図るとともに、公衆栄養活動を担う行政管理栄養士としての更なるスキルアップを目指すものです。併せて、科学院が行う公衆栄養関係の研修のあり方への提案も行い、よりよいリーダー育成に貢献していくことです。
その為には、公衆栄養研修の各年度ごとに行われている同窓会活動を活用し、栄養部会として一つにまとめたネットワークの構築が必要であると考えます。各年度ごとの垣根を越えて、栄養部会の会員を増やし、活動の活性化を図って行きたいと考えています。
 ネットワーク構築に向けては、各年度ごとの修了生代表者や連絡員の方々に御理解と御協力をいただけますよう、宜しくお願い申し上げます。
皆様も御承知の通り、地域の健康づくりの基盤となる法整備として、健康増進法から食育基本法の成立に続いて、介護保険法が改正されました。医療制度構造改革に伴い、平成20年度からは医療保険者による特定健診・特定保健指導が義務化されました。このような社会情勢を踏まえ、保健対策において健康づくり及び栄養・食生活の改善を推進することが一層重要であることから、平成20年10月に「地域における行政栄養士による健康づくり及び栄養・食生活の改善の基本指針」が策定されました。
 基本指針には、行政栄養士の業務の基本的考え方と具体な内容が示され、市町村、保健所、本庁の行政栄養士の役割が明確に整理され、さらに協働していくべき部分は項目立てや内容において共通する文言で記載されており、地域における行政栄養士の連携が重視されているものと思われます。
 最近では、実施した事業の妥当性と実施後の評価が一般的になってきましたが、基本指針においても、各地域の実情に応じて事業に優先順位をつけ、計画の策定及び事業の施策化、実施、そして科学的根拠に基づく指標による評価が必要とされています。
このように、基本指針に基づいた今後の行政栄養士による公衆栄養活動が注目・期待されており、またその成果が求められていることを真摯に受け止めなくてはならないと思います。
科学院の公衆栄養活動現場におけるリーダー育成を目的とした公衆栄養研修を終了された全国の行政管理栄養士が、各現場で研修の成果をどのように役に立てているのか、必要とされる情報や技術は何かなどについて情報交換や仲間づくりを行うネットワークの構築が益々重要となり、実現に向けたツ−ルが栄養部会の役割ではないでしょうか。
公衆栄養研修の対象者である都道府県、政令市の保健所等で地域栄養業務に従事する行政管理栄養士数は約1,400名(都道府県、政令市) であり、行政栄養士の配置状況は1人または少数配置が多い為に、現場でそれぞれが悩みや課題を抱えていることと思います。
今年の2月に科学院で「平成20年度短期研修「健康・栄養調査の企画・運営・評価に関する研修」が開催されました。本研修は医療費適正化計画に伴う健康増進計画、食育推進計画等の各種計画に関連して、健康・栄養調査の設計・実施・集計・解析の一連の業務を行い、そのデータを地域の実情に応じて活用、提言できる能力を習得することが目的でした。
 目的とされている能力は、前述した基本指針の中でも一番最初に掲げられている最も優先順位の高い業務「地域の実態把握及び分析」に必要な能力でもあり、多くの行政管理栄養士が課題としているものでもあります。
 私も研修に参加させていただき、3日間と限られた時間での研修で、目的に到達できなかったこともたくさんあります。しかし今回の研修で得られた知識や情報をいかに今後の公衆栄養活動の中に活用するか、復習と実践を行いながら、目的を達成していくことが必要と考えています。
 そこでも研修期間を共に過ごした全国の仲間との出会いとそのネットワークが大切な資源であり、情報と技術の共有を図ることは必要であると思いました。
 今回の研修修了生の方々にも同窓会に入会いただきました。是非、栄養部会の趣旨を御理解いただき、ご一緒に活動できることを期待しています。
今後、栄養部会では、部会設立の周知及び部会員の増加のための広報活動をはじめとし、部会員相互の親睦を図るための交流会の開催やホームページの運営管理・同窓会メールマガジンへの投稿などを行っていきたいと思います。
さらには、公衆栄養に関する研究発表に向けての研修事業(研究への支援・協力)へと発展させ、期待されている行政管理栄養士による公衆栄養活動の成果につなげることができたらと思います。
栄養部会の発展のために、皆様方の御支援、御協力を心よりお願い申し上げます。
最後になりましたが、栄養部会設立への道筋と強い後押しをいただきました科学院の佐藤加代子公衆栄養室長には、永きにわたり公衆栄養研修を通して行政管理栄養士のリーダー育成に御尽力いただきましたことに深く感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬ御支援、御指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

                国立保健医療科学院同窓会栄養部会長 群馬県渋川保健福祉事務所 管理栄養士 阿部 絹子



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